最近のフロントエンド開発でよく使われるReact、VueなどのJavaScriptフレームワークを書く際、TypeScriptが採用される機会が増えています。より安全に開発できるAlt JSとして注目されています。
ただ、下記のような不安がありなかなか手が出せていないという人もいるのではないでしょうか。
- TypeScriptに興味はあるけど、何か難しそう。
- JavaScirptも曖昧なのに、TypeScriptは分かるの?
そこで、JavaScript初心者でもはじめやすい、TypeScriptの入門書『ゼロからわかるTypeScript入門』を紹介します。
目次
どんな本なの?
JavaScript/TypeScriptの基本文法とプログラミング方法を丁寧に解説してくれている入門書。
変数、演算子、条件分岐などプログラミングの基本のところから、最終的には、Web APIとJSONを利用した非同期Webアプリケーション(天気情報を取得して表示するアプリ)の作成方法まで学習できます。
ターゲット層
TypeScriptの入門書は、TypeScriptがAltJS(代替JavaScript言語)なので、「(JavaScriptは分かっているけど)TypeScriptは入門者」の人向けの本も多いです。
ただ、この本はJavaScriptも入門者の人向けのTypeScriptの入門書になっています。
テキストエディタ―(VS Code)やNode.jsのインストールのインストール方法、ターミナルの使い方(Windows、Mac両方の記述あり)など、コーディング環境の準備から解説されています。
またTypeScrip独自の機能の紹介だけでなく、JavaScriptと共通する基本文法から丁寧に解説されているので、JavaScriptの入門者はもちろん、少しは触ったことがあるけど自信がないという人も復習を兼ねて勉強することができます。
ちなみに、本当にプログラミングは初めてという人は、『スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング』などの入門書などから始めるのがおすすめです。
本書も丁寧に解説はされていますが、プログラミングの雰囲気だけでも先につかんでおいた方が挫折しにくいかなと思います。
個人的には、プログラム初心者には、書いたコードがビジュアルで見えるProcessingがおすすめです。
【良かった点1】JavaScript初心者にも分かりやすい丁寧な解説
この本を読み始めて最初にいいなと感じたの
「書いてあるコードと本文との対応付けが分かりやすい」
という点です。
プログラミング初心者の頃は、ほんの数行のまとまったコードでもどの部分の解説をされているのか見失いがちなのです。
この本では、コードの本文で説明する部分に番号が振られており、本文中で「リスト〇-〇の①で」などどのコードについて説明されているのかが分かりやすいです。
また解説の内容もエラーの場合やちょっとした派生の場合に関しても、それぞれサンプルコードが書かれており、実際に自分でコードエディターで書きながら違いを実感しながら進めることができ、理解が深まりやすいと感じました。
【良かった点2】練習問題が充実していて反復練習して身に付きやすい
この本では、章の終わりに練習問題がついています。
本を読んだ時は分かった気でいるのですが、いざ自分で書こうとすると
「あれ?ここって {} だっけ?() だっけ?」
のように、細かい書き方が定着してないことがよくあります。
なので、今習ったばかりの文法を使った練習問題をやることでより定着するし、今やったことが身についてるなと実感しやすいので、良いなと思いました。
【良かった点3】 学習した内容を元に成果物が作れる
この本の場合は、基本文法だけでなく、学習した内容を生かして最後の締めくくりにWeb APIやJSONを使った非同期通信Webアプリケーションを作ります。
Web APIやJSONの様なデータを読み込んで表示させられるようになると簡単なWebアプリケーションのアイデアが広がります。
この本では、OpenWeatherのAPIを使っていきますが、他にも下記の記事にまとめられているように個人でも使える無料から使えるAPIもあります。
なので、この本を読み終わったあとは、本に沿って作ったコードを元に好みのAPIを使って自作Webアプリケーションを作ってみるなど、JavaScript/TypeScriptに親しんでいく道筋が立てやすくて良いなと思いました。
【気になった点1】 TypeScriptの独自機能かJavaScriptでも使える機能か分かりにくい
TypeScriptの基本文法は、当たり前ですが基本的にはJavaScriptの基本文法です。
TypeScriptの最大の売りである型付けに関しても型推論があるので、データ型が明らかな場合は省略可能です。
本書でも基本文法を学んでいく間は、型を省略して書かれているので、見た目はJavaScriptと同じです。
今後、TypeScriptだけを書いていくなら問題ないのですが、JavaScript入門者にもおすすめできる本なので、
- どちらでも使える書き方なのか
- TypeScriptでしか使えない書き方なのか
が、明示してあると、あとあと参考にするとき便利かなと思いました。
まとめ
この記事では、『ゼロからわかるTypeScript入門』を読んだ感想を書いてきました。
いろいろ書いてきましたが、TypeScript入門者はもちろん、普段HTML/CSSを主に書いているコーダーの人がJavaScriptの復習をしながらTypeScriptを勉強するのにもオススメできる1冊でした。
興味のある方は是非読んでみてくださいね。