初心者がEC-CUBEでサイト作成をする時に知りたかった5つのこと

普段はWordPressの案件が多いのですが、縁あってEC-CUBEの案件をやることになりました。

最初はよく分からなくて苦戦したのですがようやく全体像が掴めてきたので、
これからEC-CUBEを使う人向けに自分がはじめに知りたかった内容をまとめました。

EC-CUBEとは

「EC-CUBE(イーシーキューブ)」は、株式会社ロックオンのEC構築パッケージを誰でも無料で利用・改変できる「オープンソース」として公開したものです。ダウンロードは無料。必要な機能は揃っているので、すぐに開店することができます。改変も自由なので、カスタマイズをすれば、オンライン予約やカスタムオーダーなど、ASPサービスでは実現できない様々な販売形態のサイトを作ることもできます。さらに、物流・決済・広告などネットに留まらないリアル領域の各種EC周辺サービスととの無限の組み合わせによって、独自のショッピングプラットフォームを構築することができます。

※ 独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による

公式サイトに説明のあるように、日本製のECサイト向けのオープンソースのCMSです。

触ってみると実感しますが、最初からオンラインショップに必要な機能が一通り揃っています。また日本の会社が作っているだけに、日本のショッピング文化に対応していたり、消費税の設定など決済周りも日本独自の事情にも配慮されています。

デモサイトもあるので触ったことのない人は、どうぞ!

EC-CUBEをはじめる時に知りたかった5つのこと

そんな魅力的なEC-CUBEですが、実際カスタマイズして使おうと思うと結構ハマるポイントがあるので、ぼくがはじめる前に知りたかったポイントをまとめました。

1. WordPressに比べると情報が少ない

まず調べてみると出てくる情報が少ない!

WordPressなどの海外製CMSは、英語情報も含めればかなりの量ありますが、EC-CUBEは日本製なので英語情報は皆無です。また後述しますが、出てきても2.x系という古いバージョンの情報がほとんどで、現在主流は3.x系と互換性がないのでWordPressのように「困ったらググれば答えが出てくる」CMSとは、事情が違います。

ただ日本製なので公式のドキュメントも充実していますし、コミュニティーも活発そうなので困ったらフォーラムで相談するのもありです。
基本的に「困ったら公式ドキュメントとソースを読み解く」ことになってくるので、WordPressに比べるとハードルが高いです。ただ、初期テーマと基本機能が充実していくので、ほとんどカスタマイズせずに使える案件もあると思います。

はじめる時に役に立ちそうな情報

実際自分が調べたり、試したりして役にたった情報をまとめておきます。

本もEC-CUBE3向けあまりないです。

ただこの本は、内容的には開発ドキュメントと大差ないですが図解などが入る分、とっつきやすく助かりました。ただカスタマイズ方法や例が載っている訳ではないので、そこは自力で何とかする必要があります。

2. EC-CUBE2とEC-CUBE3は別もの

EC-CUBEは現在、2015年に誕生した3.x系が主流です。この3.x系は、それ以前の2.x系といくつか違いがあるのですが、開発者にとって一番の違いは、フレームワークが違います。(ちなみに2.x系はサポートが終了しているので、新規案件では3.x系を使うのをおすすめします。)

フレームワークの違い

2.x系 3.x系
PHPフレームワーク 独自フレームワーク Silex
(Symfony Componentsベース)
テンプレートエンジン Smarty Twig

上の表に書いた通り、フレームワークが独自フレームワークからSymfony ComponentsベースのSliexに変更になりました。

これに伴って、テンプレートエンジンも変わったため2.x系と3.x系で互換性はなくなりました。なので、古い情報だと当てにならないの注意してください。

メジャーなPHPフレームワークであるSymfonyベースなので、普段PHPでシステム開発している人にはとっつきやすくなったようです。ただ、普段はWordPressを中心に触っている自分にとってはちょっとハードルが高いなと感じました。

なので、昔触ったことある人やリニューアルの依頼の場合は、バージョンがどれなのか注意が必要です。

3. WordPressに比べるテーマ・プラグインは少ない

2018年6月現在、まだまだテーマもプラグインも少ないの現状です。

ただ、標準テーマがモダンなデザインでレスポンシブ対応していますし、ベースにCSSフレームワークのBootstrap3が入っているので、各ページの見た目のカスタマイズはしやすい印象です。

デモサイトより

とは言え、テーマやプラグインがあっても有料で高価なものも多いですし、自分でカスタマイズするにはある程度、PHPの知識が必要なのハードルが高いです。事前に要件にあった機能が入っているか確認しておくのをおすすめします。

4. PHPフレームワークの知識が必要なことも

見た目部分のカスタマイズであれば、twig(PHPのテンプレートエンジン)ではありますがhtml/CSSの知識とWordPressで言う独自タグをすでにあるページを参考に書いていけばカスタマイズできます。

ただ、機能の拡張に関しては、プラグインで追加することが前提の設計になっています。(直接コア部分をカスタマイズをしてしまうとアップデートの時に消えてしまいます。)

なので、開発ドキュメントやを参考にプラグインを開発するのですが、ここはがっつりPHPの知識が必要です。今ある機能を少し変えるのは、元のコードを参考に何とかなりそうですが、全然違う機能は普段からPHPの開発をしていないと厳しいなと感じました。

5. ページは、フレームとブロックでできている。

トップページやヘッダー、フッターをカスタマイズをする場合は、共通の枠(フレーム)の中にブロック単位のパーツをを配置していきます。WordPressでもブロックでカスタマイズできるプラグインがありますが、それが標準で入っているイメージです。なので、標準機能だけで済む場合は本当に使いやすいなぁと感じます。

ただ、カスタマイズはちょっと癖があるので、仕組みがわかるまでは少し手こずりました。

まとめ

EC-CUBEをはじめて使う時に知りたかったことを紹介しました。

基本機能・テーマがかなり良いので、それを活用できる案件であれば、素早くECサイトが構築できます。

ただカスタマイズは、WordPressなどに比べると難易度が高いので、要件の機能を満たしているか事前に確認して使ってみてください。カスタマイズ方法についても後々まとめていきたいと思っています。