- 折角、YouTubeでライブ映像を配信してもイマイチ会場の臨場感が伝わらない。
最近では、多くのライブやコンサートの映像をYouTubeやホームページで公開するアーティストが増えています。
そのため、せっかく頑張って配信してもなかなか観てもらえなかったり、ライブ会場の熱気が伝わらなくてもどかしい思いをしている音楽関係者の人もいるのでは?
そんな悩みを解決するのが360度動画のリアルタイム配信です。ライブの音源や映像だけでなく、その場の雰囲気まで伝えることができれば、YouTubeでの閲覧数もアップするはずです。
この記事では、そんな360度動画のリアルタイム配信が気軽にできる360度カメラ「RICOH R Developer Kit」をリコー様に借りられたので、実際のライブでの活用事例や具体的な使い方紹介します。
目次
【今が旬】あのフジロックでも話題の360度映像のリアルタイム配信
最近では、多くのアーティストがライブやコンサートをYouTubeなどを使ってリアルタイム配信を活用するようになってきました。
最近だと2018年に国内最大級の野外ロック・フェスティバル「フジロックフェスティバル ‘18」がYouTube配信したことが大きな話題となりました。
メジャーなフェスが家で楽しめるというのはもちろん。
ただYouTube配信するだけでなく、VRヘッドセット対応の180度動画をリアルタイム配信したことで、家でもフェスの臨場感を味わえるという貴重な体験ができました。
そんな今が旬の360 度映像のライブ配信ですが、大掛かりな機材がなくてもパソコンと今回紹介するRICOH R Developer Toolがあれば、簡単に実現することができます。
RICOH R Developer Kitとは
RICOH R Developer Kitは、リコーから発売されている360度動画をライブ配信できるカメラです。
リコーの360度カメラと言えば、僕も愛用しているRICOH THETAシリーズが有名ですが、このRICOR R Developer Kitは、別ラインナップです。
ライブ配信に特化していて、カスタマイズ性に優れているので、ライブやコンサート以外にも工場の監視やベビーモニターなどいろいろな使い方が想定された商品です。
スペック
解像度 | 動画 1920×960(静止画 非対応) |
外形寸法・質量 | 外形寸法・質量 |
電源方式 | 外部電源方式 |
記録方法 | USB/HDMUで外部出力または、microSD |
外部インターフェース | microUSB 端子(2.0)x2 ・UVC出力用 兼 映像コントロール用 ・電源供給用 HDMI micro端子(type D) ・出力用 |
同梱品
- 本体(※microSD(8GB)挿入済み)
- スタンド x 1
- USBケーブル x 2
- キャリングケース x 1
- お知らせ
外観
サイズ感やカメラの位置なんかは、RICOH THETAシリーズと同じですが、一番の特徴は表面の凹凸。
実はこれ、装飾ではなくちゃんと機能からきていて、実はヒートシンクの役目をしています。
RICOH Developer Kitは、24時間連続撮影が可能なため熱対策の必要があります。
そのため、表面の凹凸以外にも筐体自体も金属製、電源も外部電源を採用するなど徹底して熱対策がされています。
【実例あり】360度カメラでライブを撮影するとその場の臨場感まで伝わる
RICOH R Developer Kitの紹介をしたところで、気になるのは
「360度カメラでライブやコンサートを撮影するとどんな感じになるのか?」
だと思います。
RICOH R Developer Kitで撮影した動画は見つけられませんでしたが、同じリコーのRICOH THETA Vでライブを撮影した企画「RICOH THETA V × BARKS」の映像が、YouTubeで公開されていたので、ご覧ください。
パソコンやスマホで見ると「後ろまで映っていて面白い」くらいの感想ですが、
VRヘッドセットで見ると「アーティストが目の前で歌っていて、後ろを振り向くと会場のお客さんと一体感がある」という体験ができます。
これは初めて見ると感動するので、VRヘッドセットを準備できる人は、是非一度試してみてください。
そして、こんな感じの映像をリアルタイム配信でライブ会場から家に届けることがRICOH R Developer Kitを使えばできるのです。
RICOH R Developer Kitを使って360度動画のYouTubeライブ配信をする方法
RICOH R Developer Kitで、360度動画をYouTubeでリアルタイム配信する方法については、公式サイトに「360 Live Streaming Guide Book」を公開してくれているので、基本的にこれにしたがって進めていけばYouTubeのアカウント登録からRICOH R Developer Kitのセットアップまでできます。
ただ自分でも試してみて、いくつか個人的にハマりそうなポイントがいくつかあったので紹介します。
RICOH R Developer Kitを使って360度動画のYouTubeライブ配信する時の注意点
紹介されている手順としては、
- YouTubeアカウントを作成・ライブ配信の準備
- パソコンに無料のライブ配信用のソフトをインストール
- RICOH R本体をパソコンに接続
- 設定してYouTubeのライブ配信を行う
という感じです。
それぞれの段階でハマりそうなポイントとしては、
『1. YouTubeアカウントを作成・ライブ配信の準備』の注意点
YouTubeアカウント自体は即時作成できますが、ライブ配信をするために必要なイベントを作成する認証が24時間程度かかるので、ライブ配信をする前に余裕を持って認証しておきましょう。
『2. パソコンに無料のライブ配信用のソフトをインストール』の注意点
ライブ配信用のソフトはWindows・Macどちらでも使えるフリーソフトです。
注意点は、インストールした後にパソコンを再起動しないとRICOH Rを接続した時に認識しないので、忘れないようにしましょう。
『3. RICOH R本体をパソコンに接続』の注意点
RICOH R本体からは、映像出力用と電源供給用で2本のUSBケーブルを繋ぐ必要があります。
電源供給用はACアダプターやモバイルバッテリーに繋ぐだけでなく、パソコンに繋いでも動作します。(映像出力用もパソコンに繋ぐので、パソコンに2本)
付属されているUSBケーブルは短めなので、撮影環境に合わせて長いUSBケーブルが必要になるのでご注意ください。
また底面には、標準の三脚用のネジ穴があるので、付属のスタンド以外にも以前紹介したRICOH THETA用のスタンドなども利用できます。
以上の点に注意すれば、比較的簡単にYouTubeで360度動画がライブ配信できます。
また、HDMIから汎用の出力もできるのFacebook LiveなどYouTube以外のプラットフォームでも配信することができるのも魅力です。
【工場の監視・ベビーモニターにも】RICOH R Developer Kitの使い方は無限大
RICOH R Developrt Kit は、Developer Kitと付くだけあって最初から拡張して使われることを想定しています。
カメラコントロール用のAPIが開示されているので、遠隔でカメラの操作するアプリを独自に開発することも可能です。
そのために、この記事ではライブ配信で使う用途を紹介してきましたが、工場や研究の監視、ベビーモニター、ドローンと組み合わせて映像制作に使うなど幅広い用途で使える可能性を秘めた商品です。
まとめ
この記事では、RICOH R Developer Kitを使って360度動画をライブ会場の雰囲気ごとライブ配信する方法について紹介してきました。
まだまた採用事例は少ないですし、今後VRヘッドセットの普及とともに需要が伸びそうな方法だけに、いち早く試してみてはいかがでしょうか?